レジの端末にスマートフォンをかざしている人、見たことはありますか? スマートフォンがiPhoneなら、それは「Apple Pay」を利用した支払いです。どの決済サービスを利用しているかまではわかりませんが、iPhoneの画面を操作せずいきなりかざしているようなら、それは「エクスプレスカード」を利用した支払いの可能性大です。
エクスプレスカードとは、Face IDやTouch IDなどの認証なしにApple Payで支払いする機能のこと。日本ではSuicaやPASMOといった交通系ICカードを登録しておけば、iPhoneがロック中でも認証作業なしにかざすだけで支払いを実行できるため、支払いに手間をかけたくない人のための決済手段として認知されています。
しかし、iOS 15の現在は状況が変化しています。クレジットカードをエクスプレスカードとして登録していると、一部の交通機関では支払いに利用できるのです。
エクスプレスカードとして登録可能なクレジットカードは一部に限られますが、対応するものは『設定』→「ウォレットとApple Pay」→「エクスプレスカード」画面の「支払い用カード」項目に表示されます。いちど削除してから再登録するとエクスプレスカードに設定可能となるクレジットカードも存在するので、試す価値はありそうです。
とはいうものの、2022年3月現在、日本ではエクスプレスカードに登録したクレジットカードを交通機関の運賃支払いにあてることはできません。海外の一部交通機関は対応していますが(参考)、海外渡航のハードルが高い昨今、なかなか利用する機会はなさそうです。
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エクスプレスカードにクレジットカードを使える?
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Apple PayのSuicaを使って、通勤・通学したいということもあると思います。
ただ、改札機を通るたびにApple Payを起動するのも大変ですよね。
あらかじめSuicaをエクスプレスカードとして登録しておけば、そんな手間を省くことができます。
しかし、慣れないうちはどうやってApple Payでエクスプレスカードに登録すればいいのかわかりづらい部分もありますよね。
エクスプレスカードの特徴について知っておけば、いざ使いたいときにスムーズに利用できますよ。
このページでは、Apple Payのエクスプレスカードを設定する方法や使い方について詳しく紹介していきますね。
Apple Payについては、こちらで詳しく紹介していますよ。
タップで移動する目次
- 1 Apple Payのエクスプレスカードについて
- 2 エクスプレスカードを設定する方法
- 3 エクスプレスカードの使い方について
- 4 エクスプレスカードが反応しないときの対処法
- 5 Suicaアプリを使えばより便利になる
- 6 エクスプレスカードとメインカードの違いについて
- 7 さいごに
- 8 おまけ:Apple Payに関連した記事
そもそも、エクスプレスカードがどんなものなのか気になるところです。
Apple PayでSuicaをエクスプレスカードに登録しておくと、iPhoneやアップルウォッチを改札機の読み取り部分にかざすだけで改札の出入りができます。
つまり、エクスプレスカードに設定しておけば、Apple Payを起動させなくても改札機を通れるというわけですね。
iPhoneやアップルウォッチの電源が入ってさえいれば、ネットワークに接続していなくても改札を通れます。
改札を通るたび、iPhoneのロックを解除したりApple Payを立ち上げたりする手間もなくなりますよ。
エクスプレスカードを設定する方法
エクスプレスカードについてわかったところで、どうやってApple Payで登録すればいいのかが気になる部分ですよね。
実は、最初にWalletに追加したSuicaは自動的にエクスプレスカードとして登録されます。
Apple PayにSuicaを1枚しか登録していない場合は、特に設定の必要はありません。
ただ、Wallet内に複数のSuicaを追加している場合は、エクスプレスカードの設定が必要になります。
エクスプレスカードを設定するときの流れは以下の通り。
- iPhoneの「設定」を押す
- 「WalletとApple Pay」を選ぶ
- 「エクスプレスカード」を押す
- 新しくエクスプレスカードにしたいSuicaを選ぶ
- Face ID・Touch ID・パスコードのいずれかで認証
- エクスプレスカード設定完了
▼iPhoneの「設定」を押し、「WalletとApple Pay」を選びましょう。
▼「エクスプレスカード」を選びます。
▼新しくエクスプレスカードにしたいSuicaを選んだら、Face IDまたはTouch IDで認証しましょう。一度で認証できない場合は、パスコードを入力して手続きしますよ。
これでエクスプレスカード設定が完了します。
最初に追加したSuicaではなく、後から追加したSuicaへとエクスプレスカードを変更したいときも同じ流れになりますよ。
ちなみに、アップルウォッチで設定する手順は以下の通りです。
- iPhoneで「Watch App」を開く
- 「マイウォッチ」を開いて「WalletとApple Pay」を選ぶ
- 「エクスプレスカード」を押す
- 新しくエクスプレスカードにしたいSuicaを選ぶ
- Apple Watchにパスコードを入力して認証
- エクスプレスカード設定完了
大体、同じような手順ですね。
特に難しいところもなく、1分ほどで設定できました。
エクスプレスカードの使い方について
Apple Payでエクスプレスカード設定にしたら、あとは実際に使ってみましょう!
とはいえ、慣れないうちはどんな風に利用すればいいのか使い方がわからない部分もあると思います。
そこで、エクスプレスカードを使うときの流れについてまとめてみました。
まず、駅の改札機で使う場合は以下の通り。
- Apple PayでSuicaをエクスプレスカード設定にしておく
- iPhoneやアップルウォッチを改札機の読み取り部にかざす
- iPhoneまたはアップルウォッチに「完了」という文字が表示される
- 改札を通る
iPhoneをかざすときは、iPhoneの上部あたりをかざすようにするとうまく読み取れますよ。
また、お店でエクスプレスカードを使うときの手順は以下の通り。
- Apple PayでSuicaをエクスプレスカード設定にしておく
- 「Suicaで支払います」とレジの店員さんに伝える
- iPhoneやアップルウォッチを非接触型リーダーにかざす
- 「完了」という文字と決済音で通知
お店で支払うときも、ロックを解除したり、Apple Payを開いたりする必要はありません。
ただ、「Suicaで」と支払い方法を伝える必要があります。
もちろん、Suicaマークのあるコンビニや自販機などでも使えますよ。
会計時の手間が減るので、買い物の時短にもつながりますね。
エクスプレスカードが反応しないときの対処法
Apple Payでエクスプレスカードを使おうと思ったのに、なぜか反応しないこともあるかもしれません。
原因になりそうなことを知っておけば、対処しやすくなりますよ。
主に、エクスプレスカードが反応しないときの原因として考えられるのは以下の通り。
- iPhoneやアップルウォッチの電源がオフになっている
- エクスプレスカードではなくメインカードとして登録されている
- Suicaのチャージ残高不足
- 支払いに使えるクレジットカードやプリペイドカードがApple Payに登録されていない
エクスプレスカードはロック解除や認証なしに使えますが、電源がオフの場合は使えません。
iPhoneやアップルウォッチの充電がちゃんとあるかも確認しておきましょう。
Suicaのチャージ残高が不足していたり、支払いに使えるカードなどがApple Payに登録されていなかったりする場合も、エクスプレスカードが反応しません。
残高を気にせず支払いたいのであれば、エクスプレスカードに登録したSuicaをオートチャージ設定にしておくといいですね。
また、場合によっては駅員さんにApple PayのSuicaを処理してもらうこともあります。
原因がわからない場合は、Apple PayのSuicaをヘルプモードにしてから、駅員さんにiPhoneやアップルウォッチを渡して処理してもらいましょう。
Suicaアプリを使えばより便利になる
Apple PayでSuicaを使う場合、Suicaアプリと併用するのがおすすめです。
主に、Suicaアプリで利用できるサービスは以下の通り。
- Suicaの新規発行
- Suica定期券の新規発行・更新・区間や種類の変更
- 新幹線の特急券・グリーン券の購入
- オートチャージ設定
WalletではSuicaの継続購入しかできませんが、Suicaアプリを使えば新規発行やオートチャージ設定もできるようになりますよ。
Apple PayでSuicaをエクスプレスカードとして設定する場合、チャージ残高を気にしながら使うのもちょっと大変ですよね。
あらかじめオートチャージ設定にしておけば、残高不足を気にすることなくSuicaを使えます。
ちなみに、Suicaをオートチャージするためにはクレジットカードが必要です。
ビューカードを用意しておくと、ポイントも貯まりやすいのでおすすめですよ。
Apple PayのSuicaをより便利に使うためにも、Suicaアプリをダウンロードしておきましょう。
参考:iOS専用のSuicaアプリはこちらから
参考:Android専用のSuicaアプリはこちらから
エクスプレスカードとメインカードの違いについて
Apple Payを使っていると、エクスプレスカードのほかに「メインカード」というものもあります。
この2つですが、具体的に何が違うのか気になりますよね。
そこで、エクスプレスカードとメインカードの違いについてまとめてみました。
エクスプレスカードとメインカードの違いについて
設定できるもの | Suica | Suica・クレジットカード・プリペイドカード |
使うときの認証 | 不要 | 必要 |
▼iPhoneの設定で「WalletとApple Pay」を開くと、エクスプレスカードにSuica、メインカードに楽天カードが登録されていることがわかりますね。
エクスプレスカードにはSuicaのような交通系ICカードしか登録できませんが、メインカードにはクレジットカードなどほかのカードも登録できます。
通勤用に使うSuicaはエクスプレスカード、支払いに使うクレジットカードはメインカードといった感じで使い分けてみるのもいいですね。
もちろん、買い物でSuicaをよく使う場合は、メインカードにSuicaを登録しておいても大丈夫です。
さいごに
Apple Payのエクスプレスカードについてまとめてみました。
- Apple PayにSuicaが1枚しかない場合は自動的に設定されている
- 複数のSuicaを持っている場合はエクスプレスカードとして1枚選べる
- オートチャージ設定にしておくと便利
Suicaをエクスプレスカードとして設定しておけば、改札を通るときやSuica払いするときの時短につながりますね。
よくSuicaを利用するのであれば、知っておきたい機能のひとつです。
しかも、エクスプレスカードとして登録するSuicaをオートチャージ設定にしておけば、残高不足を気にすることなく使えるので便利ですよ。
少しでも手間を減らしたい場合は、ビューカードでオートチャージできるようにしておきましょう。