iPhoneで撮った写真・動画をパソコンに転送する方法はいろいろあります。比較的古い端末であるiPhone 5や6でも問題ありませんし、パソコンはWindowsでもMacでも大丈夫です。
利用シーンによって適した方法は異なるので、この記事では一通りの転送方法をご紹介。
転送時には画像を認識しない、保存されない、取り込みできないなど不具合が起きることもあるので、その対処法も併せて記載しました。困ったときに見返してみてください。
目次▲
iPhoneの画像・動画をWindowsに送る方法
USBケーブルで接続して取り込む
iPhoneをPCにケーブルで接続し、PC側で読み込み操作を行います。ケーブルはiPhone購入時に付属している標準のLightning - USBケーブルでOK。大抵のパソコンにはそのケーブルを挿せるポートが付いています。
こんな場合におすすめ
●大量の写真を一気に送りたいとき
●長時間の動画など重いファイルを送りたいとき
●データ通信を行わず送りたいとき
1. iPhoneとPCをケーブルで繋ぎ、iPhone側でアクセスを許可
これは「パソコンがあなたのiPhoneにアクセスして、写真や動画ファイルを触れるようになりますがよろしいですか?」というメッセージです。
もし他人のPCに繋ぐのなら安易に許可しないほうがいいですが、今回は写真を取り込みたいので許可しましょう。
2. PCでエクスプローラーを開く
キーボードで「Windowsマーク+X」を押し[エクスプローラー]を開きます。
▲こちらがエクスプローラー。
3. [Apple iPhone]を右クリックして[画像とビデオのインポート]を選択
▲[PC]という項目の中に[Apple iPhone]があるので右クリック。
▲インポートは読み込みの意。
4. 一部をインポートするか全部をインポートするか選択
●一部の写真だけインポートする場合
「インポートする項目を確認、整理、グループ化する」にチェックを入れて[次へ]
●全部インポートする場合
「すべての新しい項目のインポート」にチェックを入れ、その下の空欄にファイル名(「今日撮った写真」など適当でOK)を入力して[次へ]
▲一部の写真だけインポートする場合、このような選択画面が出てくるので取り込みたい写真を選ぶ。
5. インポート完了。エクスプローラーに画像・動画が表示される
エクスプローラー上に読み込んだ画像・動画が表示されれば完了です。
『iCloud』にアクセスして取り込む
iPhoneを使っていて「iCloud」という単語を見かけたことはありませんか? これはAppleのクラウドストレージ、つまりインターネット上にある倉庫のようなもの。
クラウドに保存された写真は、タブレットやPCなどiPhone以外からも簡単にアクセスできるのが特長です。
※iColoudへ写真・動画をアップロードする、iCloudから写真・動画をダウンロードする際にデータ通信が発生します。
こんな場合におすすめ
●数個のファイルを単発で送りたいとき
●スマホ、タブレット、PCなど複数のデバイスから写真・動画が見えるようにしておきたいとき
1. WebブラウザでiCloudにサインイン
まずはPCのWebブラウザ(Google Chrome、Internet Explorer、Safariなど)から次のページにアクセスします。
初回はサインイン(ログイン)を求められるので、登録したApple IDとパスワードを入力してください。
2. [写真]にアクセス
iPhoneと同じアプリアイコンが並んでいるのでわかりやすいと思います。[写真]アプリを選択しましょう。
▲写真にアクセスするとこのようなページに切り替わる。
iCloudにアップロードされている写真一覧が表示されました。
ここでお目当ての写真が表示されない場合は、iPhoneのホーム画面から設定アプリを開き、[写真]の中にある[iCloud写真]をオンにしてください。これがオフだと、撮影した写真はiCloudにアップロードされません。
3. 保存したい写真を選んでダウンロード
▲Ctrlキー(Windows)、Commandキー(Mac)を押しながら写真をクリックすれば、複数選択できる。
▲雲マークに「↓」がついているボタンがダウンロードの印。
これでダウンロードが完了します。
『Send Anywhere』を使って送信する
6桁のコードを共有することで簡単かつスピーディに写真を送れるサービス。異なるデバイス間でも、自分以外の人にでも問題なく送信できるスムーズさが快適です。利用料もありません。
※iPhone・PC間で写真・動画をやりとりする際にデータ通信が発生します。
こんな場合におすすめ
●数個のファイルを単発で送りたいとき
●他人にファイルを送りたいとき
1. iPhoneで『Send Anywhere』アプリをダウンロード
iPhone側ではアプリが必要なので、App Storeでダウンロードします。
2. アプリを開き、送りたいファイルを選択・送信
アプリを開くとiPhone内の写真や動画ファイルが表示されます。送りたいもの(複数選択可)を選んで[送信]ボタンを押しましょう。
▲送りたい写真を選んで送信。
▲6桁のコード(QRコードも利用可)が発行される。
3. 発行された6桁のコードをPC側で入力
iPhoneにはアプリをダウンロードしましたが、パソコン側でソフトをダウンロードする必要はありません。
Webブラウザで『Send Anywhere』のサイトにアクセスします。
サイト内にある「受信」の入力欄に、iPhone側で表示された6桁のコードを入力します。
▲拡大画像。コードを入力して「↓」ボタンをクリック。
これでダウンロードが完了します。
『Google フォト』を通して自動的に共有する
上で紹介した『iCloud』と同じクラウドストレージ。インターネット上に画像・動画を保管してくれるサービスです。
iPhoneの写真や動画を自動でアップロードしてくれるだけでなく、無料なのに容量無制限というのが凄いところ。思い出の写真などを溜めておく場所として最適です。
※『iCloud』と同様、写真・動画の送受信の際にデータ通信が発生します。
こんな場合におすすめ
●iPhoneで撮った写真を定期的にPCへ送っておきたいとき
●一時的なファイル移動というより、永続的にファイル保存しておきたいとき
1. iPhoneで『Google フォト』アプリをダウンロード
サービスの利用にはGoogleアカウントが必要です。YouTubeやGmailなどを利用していればGoogleアカウントがあると思いますが、もしない場合はあらかじめ作っておいてください。
▲初回起動時に写真へのアクセスを求められるので[OK]を選択。通知のオンオフはどちらでも問題ない。
2. 初期設定で[バックアップと同期]をオンにする
初回起動時に次の設定画面が出るので、[バックアップと同期]をオンにしましょう。これによりiPhoneで撮った写真・動画が自動で『Google フォト』にアップロードされていきます。
あとは「高画質」にチェックを入れて、「Wi-Fiを利用できないときはモバイルデータ通信を利用する」をオフにすることをおすすめします。
●高画質(無料、容量無制限)
1600万画素以上の写真はそれ以下に圧縮される代わりに、容量無制限で保存できます。iPhone XSのカメラですら最高1200万画素なので、劣化の心配をする必要はほぼありません。
●元のサイズ(アカウントの空き容量を消費)
容量が無料だと15GBしかない代わりに、写真を圧縮することなくアップロードしてくれます。一眼レフなどで撮った写真をそのまま保存しておきたい場合などはこちらがおすすめ。
●Wi-Fiを利用できないときはモバイルデータ通信を利用する
Wi-Fi環境がないところでも写真・動画を自動バックアップします。つまり月々の通信量残高を消費してしまうので、よほど余裕がない限りオフにしておくほうがおすすめです。
3. アプリが自動で写真・動画をアップロードしてくれる
初期設定を完了させると、さっそくアプリが自動でiPhone内の画像・動画をアップロードしてくれます。ユーザーが何か操作する必要はありませんが、アルバムを作って分類するなど整理機能は用意されています。
▲アプリを開いてみると、iPhone内の画像・動画がどんどんアップロードされていくのがわかる。
4. パソコンのブラウザで『Google フォト』にアクセス
アップロードが完了したところで、パソコンからGoogle フォトにアクセスしてみましょう。
▲iPhone側でログインしていたものと同じGoogleアカウントでログイン。
▲アップロードした写真がズラリと並ぶ。
自分で削除しない限り写真は無制限に溜め込んでいけるので、単にiPhoneの容量を空ける目的で画像・動画を移したいだけならパソコンにダウンロードしなくて構いません。『Google フォト』に入れっぱなしにしておくのがおすすめです。
5. 写真を選択してダウンロード
パソコン内に写真・動画を保存したい場合は、それを選択してメニューからダウンロードするだけです。
▲写真を選択(複数選択可)して、画面右上の[…]ボタンを選択。
▲[ダウンロード]を選択。
これでダウンロードが完了します。
iPhoneの画像・動画をMacに送る方法
iPhoneを作ったApple社のパソコンであるMacなら、より手軽でスムーズにファイルを送受信できる方法が用意されています。
AirDropを使って送る
Bluetoothを使い、インターネットに接続することなく直接ファイルを送り合える機能。Appleデバイス間でしか使えませんが、とても便利な機能です。
こんな場合におすすめ
●送り先のデバイスがすぐ近くにあるとき
●無線で送りたいがモバイルデータ通信は使いたくないとき
1. 受信するデバイスの設定をあらかじめ確認
受信するMac側がAirDropの設定をオフにしているといけないので、最初に確認だけしておきましょう。
まず「Finder」を開きます。
▲Finderは画面下段Dock内の1番左に固定されている。
2. 「shift + command + R」でAirDrop設定を開く
Finderを開いたら、キーボードで「shift + command + R」を押します。すると次のようなAirDropの設定画面に切り替わります。
3. 「このMacを検出可能な相手:連絡先のみ」に設定する
「このMacを検出可能な相手」のところをクリックすると、
●なし(AirDropをオフ)
●連絡先のみ(連絡先の相手からのみファイルを受信できる状態)
●全員(誰からでもファイルを受信できる状態)
と3つの選択肢が出てきます。
なしにすると受信できないので、連絡先のみ(全員でもOK)にしておきましょう。
これで受信側の準備は完了です。
4. iPhoneで送りたいファイルを選び、AirDropで送信
iPhoneの「写真」アプリを開き、送りたい画像・動画を選んで共有メニューを開きます。
▲赤枠内のマークが共有メニュー。
そうするとAirDropで送信できる相手(=近くにあるデバイス)一覧が表示されるので、送り先を選択します。
▲送り先の名前を選択。初期設定のままなら「○○(名前)のMacBook」といった名前になっていることが多い。
▲MacのFinderを見ると、写真が送られている。
これで転送が完了します。
イメージキャプチャを使って送る
iPhoneとMacをケーブル接続し、Macに標準搭載されている「イメージキャプチャ」を使って取り込む方法です。わざわざ線を繋ぐ手間がかかる分、重い動画ファイルでも大量の画像でも着実に読み込めるのが特長。
こんな場合におすすめ
●長時間の動画や大量の画像など、重いファイルを送りたいとき
●AirDropによる転送がうまくいかないとき
1. iPhoneとMacをケーブル接続する
まずはiPhoneとMacを繋ぎます。
2. Macで「イメージキャプチャ」を起動する
まずはDock内にある「Launchpad」を起動し、初期設定のままなら「その他」フォルダの中にある「イメージキャプチャ」を起動します。
▲DockからロケットアイコンのLaunchpadを起動。
▲いろいろな便利ツールがまとめられている「その他」フォルダ。
▲その他フォルダの中にある「イメージキャプチャ」
3. 写真・動画を選択して読み込む
iPhone内の写真・動画がずらりと表示されるので、読み込みたいものを選択して[読み込み]をクリックします。
全て読み込むなら最初から[すべてを読み込む]をクリックすればOK。
これで読み込みが完了します。
iCloudを通して自動的に共有する
iPhoneを使っていて「iCloud」という単語を見かけたことはありませんか? これはAppleのクラウドストレージ、つまりインターネット上にある倉庫のようなもの。
これを活用すれば、わざわざ自分で操作せずとも写真を同期(複数のデバイスで同じ状態に保つこと)してくれます。
こんな場合におすすめ
●撮った写真・動画は全てPCからもアクセスできるようにしておきたいとき
1. iPhoneのiCloud写真共有をオンにする
iCloudでの写真共有機能がオフになっているといけないので、まずはiPhoneから設定を確認しましょう。
▲iPhoneではホーム画面の設定アプリを開き[写真]→[iCloud写真]をオンにする。
2. MacのiCloud写真共有をオンにする
次にMacでも設定を確認しましょう。画面下段Dockにある「写真」を開きます。
▲画面上段のメニューバーから[写真]→[環境設定...]へと進む。
▲[iCloud写真]をオンにする。
3. 双方の写真が自動同期され、写真アプリ内で見られるようになる
iCloud写真がオンになれば、特に何もしなくても双方のデバイスで写真が同期されます。つまりiPhoneで撮った写真はMacでも見られますし、Mac内の写真もiPhoneに表示されるということです。
一見1番ラクなので「これでいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、写真を同期するためにネットワーク通信を行う点に注意。写真・動画をたくさん撮る場合、月々の通信量残高をかなり削ってしまう可能性があります。
うまく転送できないときの対処法
さまざまな方法をご紹介してきましたが、日々使っている中でうまく送信できなかったり、エラーが起きたりすることもあります。
とはいえそのほとんどは再起動や時間を開けて再度試すなど定番の対処法で直るので、ここで基本的な対処法を一通り記しておきます。
iPhoneやPCの再起動
あらゆる不具合が起きたときの基本、再起動。画像・動画の送信失敗時にも、再起動であっさりうまくいくことはよくあります。
ケーブルを抜いてから挿し直す
有線でうまくいかないときは、1度ケーブルを抜いてから挿し直すのも基本的な対処法です。もし古いケーブルを使っているなら、端子のサビ具合もチェックしてみてください。
BluetoothやWi-Fiをオフにして再度オンにする
ネットワーク関連で一時的な不具合が起きることもよくあります。BluetoothやWi-Fiを1度オフにしてから再度オンにし、もう1度試してみてください。
PC(転送される側)の容量があるか確認する
動画や大量の画像を転送するときに、受信側に空き容量がなくて失敗することもあります。不要な写真を削除するなどして容量を空けましょう。
ファイルが多すぎないか、重すぎないか確認する
Bluetooth通信でファイルを送る「AirDrop」の場合、長時間の動画など重すぎるファイルは送信失敗することがあります。ファイルの数があまりに多いときも同様。
少しずつ小分けに送信したり、別の手段を用いるなどして対応してみてください。
別のデバイスでも試し、うまくいくか否か確認する
なかなか解決しないときは、送信側と受信側どちらに問題があるのか切り分けるため別のデバイスで送信テストしてみるのがおすすめ。
iPhoneからパソコンAに送信失敗するがパソコンBには無事送信できる場合、iPhone側の問題ではなくパソコンAに問題があると考えられますよね。逆にパソコンBにも送信失敗する場合は、iPhone側に問題があると考えられます。
そうして問題を切り分けると、どこに原因があるのか探りやすくなりますよ。
各方法を一通り把握しておいて、状況に応じて使い分けを
方法によって長所・短所が異なるので、1つの方法にこだわらずいろいろ使い分けてみてください。
Wi-Fi環境が充実している方は『Googleフォト』や『iCloud』を使って自動的にクラウドストレージへ保存するのがラクですし、逆にWi-Fiにあまり繋げない人には向きません。
ケーブル接続して送信する方法は少しだけ手間ですが、通信量が減ることはありませんし重い動画ファイルでも着実に読み込んでくれます。
自分以外の第三者に送信する場合は、その場限りのやり取りで済む『AirDrop』や『Send Anywhere』を使うのがおすすめ。
1度理解すればどの方法も簡単なので、ぜひ身構えずに試してみてください。